エンジニア35歳限界説に挑戦しようと決意させてくれた人達
日本のIT業界界隈では良く耳にするエンジニア35歳限界説。自分が35歳を過ぎて改めてこの問題について日々悶々と思っていることを書いてみようと思いました。ちなみに、自分は汎用機系のSEです。
日本のSE業界で35歳を過ぎて辿り着いたところ
自分がいる会社や取り巻く環境によっても違うと思いますが、35歳限界説は日本のIT業界の構造的な問題だと思います。
一般的なSEは新卒で大量に採用されて適当な言語で新人教育を受けて、その後は配属先で運が良ければJavaなどオープン系の言語を経験します。運が悪ければ汎用機などのレガシー言語の環境に身を置いて一生レガシーなスキルだけ身につけていきます。
30歳近くになってくるとキャリアは2択になります。リーダー的な業務をやるか、スペシャリストになるか。新卒の後PGという期間を経て、ちょっとずつ上流工程の設計をやりつつプロジェクトの進捗管理やらパートナーの管理やら言語スキルを身につける以外の業務に忙殺されてスペシャルなスキルなど何も身についてないからとりあえずマネジメントの道に進みます。さらに手を動かして開発することからどんどん離れていって...。僕は完全にこの道を辿っています。
最近思うのは、35歳限界説のもう一つの問題はここから新たに何かを身につけようと思えないマインドの問題だと思います。少なくとも僕の周りには35歳を過ぎて何か新しいことをやろうとしている人は皆無です。
海外エンジニアの事情
海外の事情はどうなのかと思っていたらGigazineで以下のような記事が紹介されていました。
30代後半や50代からでもソフトウェア開発者になるのには遅くないという10人の実例
ここで紹介されているのは、
などです。例えばこんな感じです。
◆35歳からソフトウェア開発者になったエイミー・モーガンさん
モーガンさんはスタンフォード大学図書館の元アーキビストでしたが、35歳のときにオンライン講座でPythonの勉強を始めたとのこと。モーガンさんはすぐにプログラミングに惚れ込み、Hackbright Academyという女性向けのソフトウェア開発者向けのブートキャンプへ参加することにしたそうです。その後モーガンさんは、ワーナー・ブラザース傘下の映画&TV番組のレビューコミュニティ「Flixster」にソフトウェアエンジニアとして入社し、オンラインのチケット販売プラットフォームの構築チームの一員として成果をあげました。現在はSite Reliability EngineerとしてGoogleで勤務しています。
35歳からプログラミングを始めて最終的にGoogleで勤務しているというのが驚きです。42歳で警察官からエンジニアに転職というのもすごいです。日本では絶対にこんなキャリア考えられないですよね。
同じGIGAZINEにこんな記事もあります。
「生涯現役開発者」を貫く40代~60代のソフトウェア開発者たち - GIGAZINE
フレッッチャーさんは「私は16年間コードを書き続けています。数年間は独立して請負業者として働きましたが、42歳のときにNetflixへシニア・ソフトウェアエンジニアとして参加しました。私は今でも毎日コードを書いています。お気に入りの言語はKotlinで、普段よく使う言語はJava・Scala・Groovyです。私は学んで実践するのが好きで、マネージャーになるのは向いておらず、今後も管理職としてのキャリアを積む気はありません。同年代の開発者への忠告としては、新しい技術を責め立てたり、EmacsやC++より新しい言語をあざ笑うような老人にならないでください。あなたの実績ある経験は、Node JSとGo言語を使う若造を恐れるあなた自身を保護するために使うのではなく、新しい技術で何ができるのかを適切に決定するために使って下さい」と話しています。
海外でも経験を積んだエンジニアはマネジメント職に就くというのが一般的なんだと思いますが、40〜60代でも第一線でコードを書き続けてる人達がいるんですね。もちろん日本でも40代、50代のエンジニアはいますが、レガシーなシステムで働いている人が多いイメージがあります。
何かを始めるのに35歳は全く遅くない
スペシャリストでもマネジメントでもない35歳オーバーの人はこれからどうすればいいか。
幸か不幸か、自分が関わるどこの現場も最近はコストを削減すべく残業時間は減ってきています。昔みたいにいくら残業してでもプロジェクトを終わらせるみたいなことが減っています。
逆に言えば、フリーな時間は増えています。僕はその時間を使って新しいチャレンジとしてswiftを使ってiPhoneアプリを作ってみようと思います。
swiftでの開発を思い立って情報収集してみたらこんな記事に出会いました。
67才プログラミングほぼ未経験にしてiPhoneアプリをリリースした方に色々聞いてみた
60代未経験からiPhoneアプリの開発を思い立ったこともすごいですが、リリースまでしているのがホントすごいです。こういう記事を見ていると35歳過ぎてもプログラミングの経験があるのに新しい言語を身につけることを躊躇しているのが馬鹿らしく思えてきちゃいます。
プログラミング未経験の人達の勢いがすごい
さらにここ最近の傾向としては、プログラミング未経験の人がプログラミングを身につけ始めているという事があると思います。これは世界的な傾向だと思います。プログラミングスクールの卒業生の記事を見ると未経験からWeb系、アプリ系の仕事についた人達が多く紹介されてます。
未経験からのエンジニア転職者 | TECH::NOTE | プログラミングをはじめる全ての人に
卒業生の転職実績 | TECH::EXPERT(テック エキスパート)
また、海外の人が書いた未経験から○ヶ月でソフトウェアエンジニアになったというような記事もMediumには溢れてます。
How I Became a Software Developer in 10 Months – Career Change Coders – Medium
How I went from newbie to Software Engineer in 9 months while working full time
こういう現状を踏まえると現役SEでもこのままずっとレガシーシステムのスキルだけでやっていくという事に対して危機感しかないですね。未経験者でも1年くらい学んで最初の仕事につければ、その後Web系、アプリ系の業界で仕事を継続していけますからね。
まとめ
まだこの問題意識を持ってネットを情報を集め出して間もないですが、分かっている事は若い人達は学ぶ意欲もあり、環境もあり、時間もあります。残念ながら自分と同じように35歳オーバーで現役SEがスキルチェンジに成功したという事例があまりないように思います。
でも30歳でも40歳でも新しいスキルを身につけるのに全く遅くないということを自分で証明したいですね。一番重要なのは学ぶモチベーションだと思うので。
ということでこのブログではエンジニア35歳限界説に挑戦する過程を記録していきたいと思います。